亡くなった後の手続

 

人が亡くなる。人は亡くなるものとはいえ,その人自身がこの世からいなくなってしまうということは,
特に遺族や近しい人にとっては耐えがたい出来事です。
亡くなる側からしても,あの時ああしていればよかったとか,もっといろんなことを楽しんでいればよかったなどと思うものです。

亡くなった後の手続について,分かりやすい本がありました。
『もしもの時の手続き・相続完全ガイド』(野谷邦宏著,クロスメディア・パブリッシング)
紹介をしながら,弁護士目線で重要なことをお伝えします。

 

手続のいろいろ

本書では段階を踏んでやるべき手続きが紹介されていて分かりやすいですね。

すぐにする手続

死亡診断書の受け取りや親族への連絡,葬儀の手配など亡くなった直後の手続きは忙しいです。
悲しむ暇がないくらいといってもいいかもしれません。
亡くなった後7日以内に,市区町村役場へ,死亡届,火葬許可申請を提出しなければなりません。

続いて10日から14日以内に,年金受給停止の手続き,健康保険・介護保険の手続き,
世帯主がなくなった場合その変更の届出
をすることになります。

少し落ち着いてからする手続

公共料金などの解約・変更や運転免許証,パスポート,クレジットカードの返還,解約などをすることになります。

ここらへんは,ある程度生前に整理しておかないと手間が相当かかります。

落ち着いてからする手続

ケースによって,高額療養費の請求(時効2年),生命保険金の請求(時効3年)など
をしていくことになります。

 

相続

財産・債務の相続手続きも忘れてはなりません。
①遺言書の有無を確認する
②相続人を確認する
③相続財産を調査・把握する
④相続放棄を検討する

簡単に説明していきます。

遺言の有無を確認する

遺言が残されていれば,原則としてその遺言に沿って相続財産が相続されることになります。
ですので,まず遺言があるかどうかを確認することになります。

遺言は,作ったことを家族に話していることもあれば,
個人が内緒で作っていることもあります。
本書では,自宅でい銀が保管されている可能性のある場所を具体的に紹介しています。

公正証書遺言の場合,公証役場に保管されていますので,死亡届や亡くなったことが分かる戸籍謄本,相続人本人の身分証明書があれば,相続人または相続人の代理人が,公証役場で検索することができます。

相続人を確認する

誰が相続人なのか,確定することも必要です。
故人が生まれたときから亡くなるときまでの戸籍を集めて確認します。

離婚歴や養子縁組したことがない,きれいな?戸籍の方もいれば,
複雑な人生を送られてきて,戸籍を取るだけで数万円もかかる人もいます。

相続財産を調査・把握する

プラスの財産だけでなく,借金などマイナスの財産も相続財産になります。

そこで,不動産,預貯金,株式などの有価証券,家財などを調べて把握することが必要になります。

また住宅ローンや借金,滞納税金といった負債も調査します。

相続放棄を検討する

負債の方が大きい場合,相続するとそれを支払わなければならなくなります。

ケースによっては,相続放棄を検討しましょう。
亡くなったことを知ってから3か月以内に家庭裁判所に相続放棄の申述手続きをすることになります。
期限が過ぎたり,家庭裁判所の手続きをしないと,相続したことになってしまいますので,注意が必要です。

遺産分割協議

遺言がない場合,遺言があっても相続人全員の合意があれば,
総則人の間で遺産分割協議を行い,遺産分割協議書をつくることになります。

預貯金や有価証券,不動産など資産を相続する際には,遺言書や遺産分割協議書が必要になります。

相続税の申告・納付

相続する財産が非課税枠を超える場合,亡くなってから10か月以内に相続税の申告・納付をすることになります。

遺産分割協議でもめていると,すぐに申告・納付期限が来てしまいます。
遺産分割協議自体に期限はありませんが,相続税には申告期限があります。遺産分割協議が長引けば長引くほど,相続税の手続きが複雑になったり税額控除が受けられないといった不利益が出る可能性があります。

 

生前にできること

生前に相続人のためにできることは,遺言を残すことです。
遺言書があれば,預貯金等資産の相続や,相続税の申告がスムースに進行します。

遺言書や,家族信託などを組み合わせることによって,
財産を代々引き継いでもらったり,相続人でない孫などに相続してもらうこともできます。
これらについては別稿で紹介していきます。

エンディングノートを活用したり,自分史を残したりして,
財産だけでなくあなたの思いも引き継いでいってもらいたいですね。

           

 

ぶっちゃけ
生前から,死後の家族のことを考えて遺言を残すことが重要です。

 

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